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是は小地圖にて諸君に分明せざるゆゑ茲に色分け地圖を調整し來れり(圖を示す)?ち是れが黄尾鳥の全形にして御
覧の如く三角形を爲せり、而して此中央に海面上直立六百尺の山ありて、又其北西隅と東隅とに各一峯あり、此三 山には未だ名称なきを以て専断ながら、茲に名を命ずる事にせり、この嶋に到着せしは五月十日にして恰も 皇太 子殿下慶事の當日なるを以って祝意を表し奉り、記念の爲め最も高き中央の山を千歳山と名づけ、東隅の一山は船 名を取りて永康山と名づけ、西北に位する山をば棲息する鳥の名に縁み信天山と名けたり、此島は悉く火山岩より なりて表面に薄土壌を有するに過ぎず、岩石のことは予の専門にあらざるも他日の参考にもと携へ歸りて小藤博士 に呈せり、學友理埋學士・吉原重康君の鑑定によれば予の採集し來りしは火山岩の一種「バザルト」なりとのことな り、島の周圖には岩石露出し、唯南面の一部を除くの外は既ね六十尺以上の絶壁にして容易に攀ること能はず、南 方の一部は低くして此處に幾分か港らしき場處あり、この處に小舟を寄せて上陸したるなり(海岸の写真を示す)他 には上陸し得べき好場所を発見せず、 ![]() ![]() ![]() ![]()
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